1.今年、受かってなくても辞めよう
もともと会社が嫌いだったわけではありませんが、13年近く在職しているうちに合併を繰り返して巨大化し、入社当初とは全く違う雰囲気の会社になってしまいました。
1つの部署がちょっとした会社くらいの規模(私の所属するシステム部も100人以上いました)で、部署間でのナワバリ意識というか、対抗意識みたいなものも存在しました。
そんな大組織の上司は平社員がおいそれと話しかけられるような存在ではなく、まさしく雲の上、という感じでした。
上司を神のように崇める社員も、それを当然のようにふんぞり返っている上司も「気持ち悪いなあ…」と嫌気がさしていたので、もし今年受からなくても辞めてどこかの司法書士事務所に補助者として入ろうかな、実務経験があれば合格後にすぐ独立できるし。でも無資格で採用してくれる所あるかな…などと迷っていました。
その年の試験が終わり、合格発表待ちの期間中のことです。別の部署の部長にレビューする必要があり、日程調整のためその部署の窓口の社員A氏に電話しました。
私「そちらの部長にご説明にあがりたいのですが」
A「誰が来るの?」
私「○○課長と○○と私です」
A「…それでいいって?」
私「はい?」
A「それでいいと思ってんの?こっちの部長に説明したいって言うなら、そっちも部長クラス立てて来るのが筋だろうが!」
しょうもねえ、マジでしょうもねえ。
受話器を持ったまま天井を仰ぎつつ、「今年、受かってなくても辞めよう…」と決意したのでした。
2.合格発表の日に上司に辞めると伝える
筆記試験の合格発表の日も忙しく仕事をしており、気付けば合格発表時間の16時を過ぎていました。トイレの個室に入ってスマホで合否を確認、自分の受験番号を見つけました。その時の気持ちは、飛び上がるほど嬉しい、というわけではなく心の底からホッとした、という感じです。ああもうこれで勉強しなくていい…、と。
見間違いではないか、実は発表に誤りがあって後から訂正されたりしないか、と時間をおいて何度か合格発表のサイトを確認しました。スマホを再起動して確認したりもしました。
間違いなく合格している、とわかったので直属の上司の所へ行きました。
私 「会社、辞めます」
上司「マジで?」
なお、ソッコーで辞意を叩きつけてやった、という話ではなく、自分なりに会社に気を使ってのことです。この時の合格発表日は9月末か10月初旬だったと思いますが、12月には東京の新人研修が始まります。平日は夕方からですが、とてもその時間に退社できるような会社ではなかったのでそれまでには辞める必要がありました。自分が今抱えている仕事の後任者を探してもらわなければならないのでなるべく早く辞意を伝えたほうがいいだろうと配慮してのことです。
2次の口述試験の合否がわからない(いくら落ちる人間はいないと言われているとはいえ)時点での辞意表明でしたが、最終合格発表まで待つと11月中旬になってしまうのでやむを得ず、という感じでした。
3.最後の日、お偉いさんに挨拶せず退社
最後の出社の日、屋形船での飲み会が予定されていました。私の送別会というわけではなく、たまたまです。
最後の日はもうやるべき仕事なんてありませんから、ひたすら挨拶回りです。お世話になった方もそうでない方も、なるべく多くの今まで仕事で関わった方々に最後のご挨拶に伺いました。
で、自分のデスクに戻ってきて、退社の時間も迫ってきている中、同じフロアにいる一応上司であるお偉いさん方にも挨拶しておくかと席に伺いました。副部長はいたのですが、部長・本部長は会議中で席にいませんでした。副部長から「後でまた来て。一応、社会人として、お世話になった上司にはきちんとご挨拶しないとね。」と言われたのですが、その時率直に思ったのが(コイツらに世話になった憶えはないなあ、世話してやった憶えはあるけど…)でした。その結果、口から出た答えは「あー、屋形船出ちゃうんで」でした。
そうして私は新卒からずっと勤めた会社を永遠に後にしました。
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