司法書士試験は働きながらでも合格できる?

受験生時代

1.仕事を続けながら勉強するメリット

まず大前提として、仕事を辞めて試験勉強に専念する(いわゆる専業受験生)ほうがいいに決まっています。それを踏まえた上で敢えて仕事を続けながら勉強するメリットを挙げてみます。

・精神的安定を維持できる

無職・無収入になるというプレッシャーは相当なものだと思います。絶対に次の試験で合格しなければという焦りも生じます。これらを良い活力源にできる人ならいいのですが、潰れてしまったら元も子もありません。特に膨大な量の知識を暗記する必要があるこの試験、鬱になるにはうってつけです。

・仕事と勉強のメリハリ

1日24時間自由に使えるとしても、実際に24時間勉強することは不可能です。では何時間勉強できるのか、自由すぎる条件の下できちんとスケジューリングできるのか、という問題です。むしろ仕事という制約(勉強できない時間)があるからこそ、開き直って「それ以外の時間全て」を勉強に充てることができます。休日も週に2日しかない貴重なものだからこそ、丸一日勉強に集中することができます。毎日が休日だったら無理でしょう。

・将来の独立開業に向けて貯蓄ができる

司法書士は比較的開業費や事務所運営費がかからない仕事ではありますが、それでも先立つものは必要です。将来独立開業を目指しているのであれば、ある程度の初期費用は準備しなければなりません。また、開業直後は仕事がないため、数ヶ月は無収入でも生活できる程の貯蓄がないとリスキーです。

・職歴に空白期間が生じない

せっかく就職できた会社を一度辞めてしまうと、同等以上の条件で他の会社に入るのは困難な場合も多いと思います。また、職歴に空白期間ができると一般的に就職活動で不利になります。

余談ですが、私は新卒で入社した会社でずっと働いていてある程度蓄えがあったため、合格して退社後はすぐに司法書士事務所に就職せず、8ヶ月程(各種新人研修~簡裁訴訟代理権等認定考査までの期間)ゆっくりしていました。いざ司法書士事務所への就職活動を開始して、その空白期間を理由に不採用となったことがあります。まあ、すぐに他の事務所に就職できましたけどね。

2.私が仕事を辞めなかった理由

1年目から辞めるという選択肢はもちろんありません。どんな試験かもよく分かっていなかったですし。直前期になると「これはめちゃくちゃ難しいぞ」と分かってくるのですが、今さら会社を辞めるとしても後任者の選定とか引き継ぎとかで数ヶ月かかるだろうし、もっと早く辞めとけばよかったーと後悔しつつも結局在職したまま1回目の受験を終えました。

2年目に入った頃にはまた気持ちが変わっていて「え、こんなムズイの…?というか受験生のレベル高すぎん?あと1年勉強に専念したくらいで受かる気がせんわ…」と絶望の淵にいました。1年目はどうせ合格して辞めるから、と上手く仕事をサボっていました。いっしょに働いている同僚に対して申し訳ないという気持ちはあったのですが(会社に対してはない笑)、自分の人生だから、と自分に言い聞かせていました。しかし、さすがに2年目以降もサボり続ける図太さは持ち合わせておらず、むしろ在職している限りは仕事はきちんとやろうと決意しました。

3年目には隙間時間勉強法がすっかり習慣化していましたが、環境の変化等により会社に嫌気が差していました。もし今年不合格なら補助者として司法書士事務所に転職しようかな…と真剣に悩んでいましたが結果無事に合格できました。合格発表当日に上司に辞意をお伝え申し上げてやりました。

3.司法書士事務所に補助者として勤務するのはどうか?

悪くない選択肢だと思います。実務経験を積めるので、あとは試験に合格さえすればいつでも独立できる、という状態に持っていくことができます。(その状態のまま何年もステイしている補助者が事務所に一人はいる、というのは司法書士事務所あるある)

資格者としてではなく補助者としての勤務だと雑用しか経験できないのでは?と思われるかもしれませんが、むしろ資格者は決済の立会でずっと外出していて(立会は資格を持った司法書士しか認められていないため)、事務所の中で書類を作っているのはたいてい補助者というケースも多く、試験に役立つ知識を身に付けられると思います。

試験の直前期には出勤日数を減らしてくれたり、中には丸々1~2ヶ月休ませてくれるような事務所もあります。ただこれにはデメリットもあります。プレッシャーが半端ないんです。ここまでしてもらって受からなかったので居づらくなって辞めてしまった人もいます。また、受かったとしてもそれだけの恩義があるとすぐには辞めづらいというのもあります。

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