会社員は本当に司法書士より安定しているのか

受験生時代

一般的に、会社員は安定していて、自営業は不安定だと言われます。以下、私が「そうとは限らないのでは?」と思う理由を述べていきます。

1.司法書士にはリストラがない

私が勤めていた会社でも、不況により早期退職者募集という名のリストラが行われたことがあります。退職金を多少割り増しするので辞めてください、というものです。

ところがコレ、実際は明らかに特定の社員をターゲットとしたものでした。以下の2つの条件が付いていたのです。

  • 45歳以上であること
  • 会社側に拒否権があること

まず1つ目の条件ですが、若い人はそもそも給料が安いので辞めさせても会社としては大したコストカットになりません。また、伸びしろもあるのでまだ辞めさせるのはもったいない、ということでしょう。

2つ目については意味が分かりませんね。早期退職者募集に応募して「辞めます!」と言っても会社側が「ダメです!」と言えるということです。

要は、会社としては高給取りの割にあまり優秀ではない社員だけのクビを切りたかったのです。実際、そういう人ばかりが辞めていきました。皆が自ら退職を希望したとは考えにくいです。会社からの圧力があったことは想像に難くありません

この出来事を目の当たりにして私は思いました。「会社ってこんな事するんだ…45歳でクビ切られても再就職なんてできないよ…」

独立開業の司法書士には当然リストラのリスクはないですし、再就職により仕事の内容や環境がガラリと変わるリスクもありません。

ちなみに、経営がうまくいかず自分の事務所をたたむことになったとしても、他の司法書士事務所に就職することはそんなに難しくありません。
※『司法書士の就職事情~歳とっていても大丈夫?~』参照。

2.司法書士には定年退職がない

運よく定年まで勤め上げることができたとしても、今の時代、60歳なんてまだまだ先は長いです。私の世代だと年金がきちんともらえるかも怪しいですし、もらえたとしてもそれだけで定年退職後から死ぬまで生活していくのは難しいでしょう。

定年後に元々勤めていた会社に引き続き再雇用される人もいますが、自分が再雇用してもらえるとは限りません。仮に能力が十分であったとしても、その時の景気によっては再雇用が叶わないこともあります。

司法書士に定年退職はありません。健康でさえあれば60歳、65歳以降も働けます。死ぬまで司法書士として仕事をし続ける人もいます。個人的には司法書士であっても引き際を考える必要はあると思っているのですが、少なくとも他人に引退のタイミングを決められることはありません

3.司法書士の収入は頑張りに比例する

会社員は毎月決まった額の給料が入ってきます。その点は個人事業主より安定していると言えます。ただ、私の会社員時代の年収は、ボーナスの占める割合が非常に高いものでした。ボーナスというのは決められたパイ(総額)を社員が取り合うもので、当然ながら評価が高い(頑張った)社員の取り分が多くなります。

しかし、そもそものパイの大きさは景気に左右されるのです。つまり、自分の頑張りはあんまり関係なく、景気が良ければたくさん貰えて、景気が悪ければ最悪ゼロということもあります。収入が頑張りに比例しないのは会社員の虚しいところです

もちろん司法書士の仕事だって景気に左右されますが、たとえ不況の中でも頑張ったら頑張った分だけ収入は増えます。

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