1.売り手市場で就職は容易
合格当時、私は35歳で業界未経験でしたが、2つ目に面接に行った事務所に採用してもらえました。40代半ばの同期合格者も難なく就職していました。というか、同期合格者の中で就職先が決まらず困っているという話は聞いたことがないので、特に選り好みしなければ就職は容易だと思います。
資格を持った司法書士しか決済に立ち会うことはできない(無資格者が立ち会うと懲戒処分になります)ので決済が多い事務所は常時司法書士を募集していたりします。その割に試験の合格率が低すぎて新人司法書士の数が少ないので、売り手市場になっている印象があります。私が勤めていた事務所も司法書士会のサイトに求人情報を常時出していましたが、本当に応募がなくて困っていました。
2.事務所の選び方
新人研修の期間中にブラックリスト(ヤバいと噂の事務所一覧)が出回りますが、あまり気にする必要はないと思います。そもそも独立開業が目標ならば、「きちんとした実務経験が積めること」以外の条件はどうでもよくないですか。
私が最初に勤めた事務所は所長が度々癇癪を起して事務所内で喚き散らすことがありました。2つ目の事務所は残業代が出ませんでした。どちらもブラックといえばブラックですよね。でもどうでもいいと思っていました。必要な経験を積んだら辞めるつもりでしたから。
ちなみに、嘘をつくのが嫌だったので、面接の時に将来的に独立を目指していることはどちらの事務所にも伝えていました。それでも採用してもらえるのが司法書士の就職市場です。
独立した時にこういう業務を中心にやっていきたいという明確なビジョンが既にあるならばその経験が積める事務所を探せばいいと思いますが、私のようにそもそも右も左もわからない場合は、まずは決済事務所でよいと思います。司法書士業務の中心である登記実務を存分に経験できますし、業界構造(闇ともいう)も理解できます。
私の合格当時は過払い金専門の某大手法人が大量に新人募集していましたが、そういう所はやめておいたほうがいいです。給料はいいという話を聞いたので、独立開業の資金を貯めるという目的ならばアリかもしれませんが…。
3.LECプロキャリアは必要ない
LECには、司法書士の就職・転職を支援してくれるプロキャリアという部門があります。私は司法書士業界の就職事情が全くわからない状態でしたので、就活を始めるにあたり登録してみました。結論から言うと全く必要ありません。
こちらがお金を払うことはないのですが、求人している事務所が採用決定時にお金を払うことになるので、事務所側としては複数応募があった際にプロキャリア経由ではないほうの人を採用したいと思うかもしれません。また、プロキャリアが紹介してくる事務所は、司法書士会のサイトに普通に求人を出している事務所ばかりです。事務所側からすると採用ルートをプロキャリアに限定する理由は何もないので当たり前といえば当たり前ですね。
そういった事情を除いても、シンプルに役に立たないです。面接に同行されるのですが、さっき最寄り駅の改札で会ったばかりの人間に「けんたはですね、…」とか知った風に事務所側にアピールされるのはなんだか不快でした。会ったそばからタメ口だったのも引っ掛かりましたね。駅から面接場所への道中、「けんた君、サラリーマンだったんだって?なんで辞めちゃったの?給料よかったんじゃないの?年収いくらくらい稼いでたの?」なんて初対面の人間に色々聞かれてウゼェ…と思っていました。その事務所は不採用になりました。2つ目の事務所にプロキャリアを経由せず直接応募して採用されました。
コメント