司法書士試験おすすめ教材・勉強法

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1.1年目はLEC教材、2年目以降はオートマという勉強法は大正解

司法書士試験合格までの道程』でも書きましたが、私は1年目はLEC教材(ブレークスルー・合格ゾーン)、2年目以降はオートマシステム中心で勉強しました。今振り返ってみて、この勉強法は大正解だったと思います。
※1年目はLECの新15カ月合格コースを受講しています。15カ月とある通り、1年以上かかる講座です。講座終了後も答練や模試を受ける期間が3~4カ月あったので、実際は1年半以上の時間をかけているのですが、1回目の受験(15カ月コースの途中でのお試し受験を除く)ということで1年目という表現を使っています。

同じ問題について、合格ゾーンとオートマシステムの解説の違いを見てみましょう。

問題

<民法総則 制限行為能力 平成9年問1(3)改>
他人の任意代理人として代理行為をするためには、成年被後見人は、成年後見人の同意を得ることが必要であるが、被保佐人は保佐人の同意を得ることを要しない。

合格ゾーンの解説

× 任意代理人には行為能力を必要としない。行為能力の制限による取消権は行為者自身の利益を守るためのものであるところ、代理において代理行為の効果を受けるのは代理人ではなく本人であり、その本人があえて制限行為能力者を代理人とするのだから、行為能力の制限を理由として代理行為を取り消すことはできないためである(102)。したがって、成年被後見人ないし被保佐人が任意代理人として代理行為をする場合、後見人ないし保佐人の同意を得る必要はない。なお、代理人は法律行為を行うことより意思能力は必要であるから、代理人が精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある成年被後見人のときは、意思無能力を理由に代理行為の無効を主張する余地はある。

オートマシステムの解説

× いずれも同意は不要。(民法102条)

1年目はLEC教材、2年目以降はオートマシステムが良いという理由が何となく分かっていただけるでしょうか。

合格ゾーンに限らず、LECの教材(ブレークスルー、答練 etc.)は「真面目」な感じです。教材の構成も条文の構成に則していますし、中身がしっかり詰まっています。索引も充実しているので、独立開業した今でも実務で参照することがあるくらいです。

1年目が最も時間をかけて(それこそ血反吐を吐く程)勉強しましたが、LECの教材でしっかりと土台作りができたのは大きかったと思います。

しかし、仕事が忙しくなってしまった2年目以降は、LEC教材での勉強は非効率的だと判断しました。内容が充実しているのは素晴らしいことなのですが、「それ、もう知ってるよ」ということも増えてくるので、オートマシステムくらいサッパリしているほうが限られた時間で効率よく勉強するのに向いていると思ったのです。

教材の構成も著者の山本先生のオリジナルで、文章もざっくばらんで、真面目さよりも理解し易さを追求している感じがします。

2.うまくやれば2年目で合格できたかも?

2年目は書式の実力を合格レベルに持っていくことを目標に掲げていたので、オートマシステムの記述式テキストを中心に、書式対策に多くの時間を割きました。合格ゾーンは一切やりませんでしたし、ブレークスルーは参考書として必要な個所を参照する程度でした。

結果は案の条、午前択一問題で足切りでした。なので書式は採点されなかったのですが、合格レベルの答案が作成できたと思っています。商業登記は特例有限会社の問題が出たのですが、オートマの例題にしっかりありましたし。なお、合格した年もゼロ減資(減資により資本金をゼロにすることは可能か)で迷った受験生が多かったようですが、オートマで可能であることを知っていた私は迷いませんでした。

2年目は仕事のこともあり最初から合格は諦めていたのですが、3年目のかなり早い段階で実力が完成し答練でS判定が取れるようになったので、もしかしたら書式偏重ではなく択一対策もバランスよく行っていれば2年目で合格できたかも、なんて思うこともあります。タラレバですけど。なお、1年目で新15カ月合格コースを一緒に受講していて、3年目で私とともに合格した人は、2年目は0.5点不足で不合格だったそうです。(さぞ悔しかったことでしょう…)しっかり勉強の時間を確保できるなら2年目での合格は不可能ではなさそうです

3.オートマシステムでるトコ一問一答で最後の一段を踏み上がる!

2年目の敗因は明らかにアウトプット訓練不足です。オートマシステムはテキストの中に問題も組み込まれているのですが、それだけで合格できるほど甘い試験ではありません。
※なお、今はオートマ過去問というアウトプット教材があるようですが、当時はまだ発売されていませんでした。

しかし今さら合格ゾーンをやる気にもなれず、LECの答練を中心にアウトプットを行っていたのですが、あと一歩のところでS判定に乗り切れず成績が停滞した時期がありました。合格レベルへの最後の一段を踏み上がることができたのは、当時順次発売され始めていた「オートマシステムでるトコ一問一答」のおかげです。試験で得点を取るポイントを的確にコンパクトにまとめた教材で、本当にこれをやり始めてから答練でS評価が取れるようになりました。

ですが、1年目の土台ができていない時期にこの教材に手を出していてもこう上手くは行かなかったでしょう。その時の自分の実力とマッチしていたのかな、と思います。

なお、私の同期合格者の中にはもともとオートマで勉強していて最後の年にブレークスルーに変えたら受かったという、私と逆パターンの人がいます。このことからも、2年目以降にオートマに切り替えたからといって、最初からオートマにしとけば良かったとは思いません。1年目にLECのボリュームのある教材で命を削って基礎を身に付けた甲斐は、間違いなくあったと思っています

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