1.毎年12単位必要
司法書士になると、研修履修が義務付けられます。1年で12単位取得する必要があります。1時間=1単位で、例えば1.5時間の研修だと1.5単位付与されます。
ちなみに、知り合いの税理士さんは税理士にも同様に研修ノルマがあると言っていました。行政書士は研修はたまに開催されますが、履修義務まではないはずです。その他の士業は詳しくありません。
研修単位が足りないだけで懲戒処分を受けることはありませんが、別件で懲戒を受ける際に処分が加重される判断要素にはなるみたいです。懲戒事例で「会員は過去〇年に渡って全く研修を履修していない」みたいな記述を見かける事があります。もしかしたら、研修を受けていれば注意勧告で済んだのに、なんて事もあるのかもしれません。
また、私の所属する司法書士会のホームページの司法書士検索結果画面では、過去3年分の研修履修状況が掲載されます。あまり見る人はいないと思いますが。
なお、司法書士会の総会で研修の義務化に強く反対している人を見たことがあります。研修に行かない人が勉強していないわけではない、専門家として常に勉強することは当然であり、強制されることではない、みたいな言い分だったと思います。実際私も研修がなくても書籍をめっちゃ読みますし、言ってる事は分からなくはないですが…。
2.法改正はメシの種
合格後も勉強しなきゃいけないのか、とウンザリする気持ちは分かります。私も合格直後はもう一生分勉強した、二度と勉強はしたくないと思ったものです。
ですが法律は頻繁に改正されるので、実務で事故らないためにもキャッチアップは必要です。もっと積極的な理由として、俗な言い方ですがメシの種になります。
法律が複雑になるのはウェルカムなのです。我々にしてみれば元々の知識があるので改正された部分だけを勉強すればよいですが、一般の方にとって一から理解するのは非常に難しいため、専門家に依頼せざるを得なくなります。
3.12単位は楽勝だけどそれだけではない場合も…
合格直後はもう一生勉強したくない、と思っていても時間とともに勉強欲は復活してきます。そもそも司法書士試験に合格するような人は勉強好きな人が多いと思います。私も合格後に宅建やFP2級を取ってしまいました。
※『司法書士試験合格後に取得した資格 ‐ 宅建士・FP』参照
興味のある研修を受けるだけで12単位は容易にクリアできます。12単位のうち倫理2単位必須なのは要注意ですが、eラーニングでおもしろい研修があるので大丈夫です。司法書士の責任をめぐる実際の裁判事例の紹介とか。
それよりも、各種の任意加入団体に入っていると独自の研修ノルマが課せられていることがほとんどなので注意が必要です。
加入時にもかなりのボリュームの研修を受ける必要がありますが、加入後も一定期間内に一定単位の取得が必要となります。リーガルサポートなんかは会員の不祥事が発生する度にどんどん必要単位が増えていっています。
私は他にも日本財産管理協会や民事信託士協会にも加入していますが、団体ごとの研修履修状況をきちんと管理していないと、どれかの単位が不足してしまい更新ができないなんて事態になりかねません。
4.リモートで便利に
もともとeラーニングも充実していましたが、コロナ禍を機に自宅でリモート受講できる研修が増えたので便利になりました。移動のお金や時間も、着替えることも不要となりました。昔は支部主催の研修の後に飲み会とかあったらしいので、コミュニケーションの場がなくなって残念に思っている人もいるかもしれませんが。
eラーニングだと1.5倍速とかで受講することもできますし、リモートだと実際受講して途中で「何か期待したのと違うな」と思ったら切り上げて別の事をできますし、時間を有効活用できて良いですね。
なお、私は研修会場に集合する形式の頃から、自分の求めていたものと違うと思った時は途中で帰っていました。研修を企画してくれた人達には申し訳ないのですが、タイムイズマネーです。私は学生ではなく実務家なので、時間を無駄にしたくはありません。
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