司法書士試験合格後の新人研修

受験生時代

1.各種新人研修

司法書士試験の最終合格発表後、あまり間を置かずに様々な新人研修が立て続けに実施されます。私の時代は全て研修会場に行って受講する形式でしたが、今はコロナ禍もありオンラインでの開催になっているかもしれません。

1-1.単位会研修(東京の場合、11月末~12月中旬頃)

単位会(都道府県)単位で実施される研修です。時期や日数は会によってバラバラで、短いと1日の所もあるようです。私が受講した東京は約2週間にわたる充実した内容で、テキストには書類のサンプル(個人情報をマスキングした、実際に実務で使用した書類)が惜しげもなく掲載されており、大変参考になりました。実際、東京会の研修は好評らしく、近隣の他県の合格者も受講しに来ていました

1-2.ブロック研修(1月上旬~中旬頃)

全国を8ブロックに分けて行われる研修です。期間は約1週間。私が参加したのは関東ブロック研修(略して関ブロ)でした。中央研修に比べるとだいぶ実務寄りの研修で、特に戸籍の読み方、職務上請求の使い方等は勉強になりました。決済立会いのシミュレーションなんかもしたりして面白かったですね。

1-3.中央研修(前期:12月中旬頃、後期:1月下旬頃)

全国を西と東に分けて実施される研修で、今はオンラインになっている模様。前期と後期に分かれていてそれぞれ3日ずつ程度だったと思います。

私の時代は前期はつくばに泊まり込みでした。内容は司法書士の歴史やら倫理やら眠かった記憶がありますが、夜は大規模な飲み会が開催されて楽しかったです。現在はオンラインになってしまったと聞いていますが…。

後期は民事訴訟実務がメインです。特別研修と思いっきり重複する内容なのではっきり言って無駄ですが、特別研修を受けない人もいるのでそのような内容になっていると聞いたことがあります。

1-4.特別研修(1月下旬~3月上旬頃)

複数のグループに分かれ、さらにグループ内でも5~6人の班に分かれてあれこれ議論しながら実際に訴訟書面を起案します。座学もありますが、グループワークが中心で楽しんで取り組みました。同じグループだった人のうち数名とは今でも交流があります。

最後はグループ対抗の模擬裁判があります。私のグループは敗訴しました!

1-5.配属研修(東京の場合、5月中旬頃)

実際に司法書士事務所で実務を経験させてもらう研修です。そのままその事務所に就職する人もいます。東京では合格者の数に対し受け入れ先の事務所が少ないためか、あまり積極的に案内されませんでした。

実施時期が5月中旬だったので、新人研修は3月上旬には終わることを考えると普通に就職したほうがいいやと思って申し込みませんでした。結局認定考査終了まで就職しなかったので、後から思うと申し込んで実務体験しておいても良かったかもしれませんが…。

2.ビビる必要はない、体調管理にだけは気を付けて

合格直後にLECで今後についての説明会がありました。その場で「おめでとう、は今日までですよ」と脅されましたが、そこまでビビる必要はありません。

私は法律とは全然関係のない分野でサラリーマンをやっていたので司法書士の実務経験が全くありませんでしたが、だからこそ新人研修は高いモチベーションで楽しく受講できました。

その中で特別研修は確かに今まで勉強してきたものとは全くの別物でした。要件事実って何?という人(私を含めほとんどの合格者がそうだと思いますが)は研修が始まる前にある程度予習をしておいたほうがいいかもしれません。それでも司法書士試験の勉強に比べたら楽なものです。

ただし、遅刻・欠席には非常に厳しいので、長丁場になる全ての新人研修を無事修了するためには体調管理にだけは注意する必要があります

新人研修を一通り修了していない場合、司法書士登録をする際に支障があるようです。登録できなくはないのですが、「次年度で必ず修了します」という誓約書を書かされた人を知っています。実際修了しなかった時に登録取消までされるのかどうかは分かりませんが…。

やむを得ず欠席した場合にレポートという代替措置もあるのですが、一度提出してもかなりの確率で書き直しを命じられるようです。

余談ですが、期限までに書き直しを提出せず、催促があったので提出したのに単位が認められなかった同期がいました。「だったら最初から提出させんなよ」とクレームを言いに行ったらしいですが当然単位は認められず。もちろん期限を守らなかった同期が悪いのですが、その同期の話を聞く限り、研修部のやり方も陰険で嫌な感じがしました。

3.ただし金はかかる

研修費、書籍代、交通費、宿泊費と、とにかく金がかかります。(オンライン研修なら交通費、宿泊費はかかりませんが。)

研修の案内に必読書籍や参考書籍の案内が色々とありますが、必読とされていても読む必要のないものはあるし、参考でも読むべきものはあります。

私はバカ正直に必読を全て買って後悔したクチですが、きちんと内容を確認した上で購入するかどうか判断したほうがいいですね。ただでさえ高い研修費で懐を痛めるわけですし…。

私の頃は研修会場で販売していたので、そこで中身を見ることができましたが、オンラインになってしまうとそれができないのがネックですね。

4.同期合格者との繋がりを作るチャンス

私の合格当時はほとんどの人が名刺を作っていたと思います。研修後の飲み会等でとにかく交換しまくりました。誰と交換したか分からなくなって同じ人とまた交換してしまうのはあるあるです。

ナンパに勤しむ人もいます。実際同期同士で結婚する人達もいます。つらい試験勉強を乗り越えた後なので多少ハメを外すのはいいと思いますが、狭い業界のため悪い噂はすぐ広まるのでその点はご注意ください。

実際の所は、研修が終わるとほとんどの人との繋がりがなくなります。一方で数年経っても何人かとは繋がりが続いているのも事実です。仕事のことを相談したり仕事を紹介してもらったりすることもあります。普通に友達として飲みに行くことも。

今から思うと、むやみやたらと名刺をばらまくより、名刺交換する機会のある人一人ひとりとしっかり話をして自分と合いそうな人を見極め、付き合いを深めるほうがいいと思います。

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