収入: 412,795円
支出:-953,129円
6月30日に開業したので、初年度の活動期間は約半年でした。縁もゆかりもない場所で開業したので見事に赤字です。まあ就職で地元を離れて16年以上経っていたので今更地元に戻った所で結果は同じだったでしょうけど。
売上のほとんどが同期合格者に紹介してもらった(自分の都合がつかないので代わりに行ってくれないかと頼まれた)司法書士事務所の決済ヘルプですが、他は私が所属する司法書士会支部が定期的に実施している無料相談会に相談員として参加した際に受任した相続案件と、近所の地域包括支援センターから紹介された後見申立の案件です。
1.決済ヘルプとは
本当はもう少しゆっくり開業準備をするつもりだったのですが、6月30日に開業することとなったのは既に独立開業していた同期合格者から決済ヘルプを依頼されたからでした。
決済ヘルプとは、他の司法書士事務所の決済(不動産取引)に臨時的に行くことです。決済は何故か月末に集中するので、事務所内の司法書士では足りない時に外部の司法書士に立会いを依頼するのです。
司法書士が他の司法書士の下請けをするなんて恥だ!という考えの人もいますが、私がいたIT業界では多重下請け構造が当たり前だったので特に何とも思いません。また、下請けに仕事を回してやっているという感じではなく、むしろとても感謝されます。不動産業者からの決済の依頼を人員不足を理由に断ると、他の司法書士事務所に乗り換えられてしまうおそれがあるため、とりあえず全て受けておいて後で血眼になってヘルプに入れる司法書士を探すからです。(冒頭の同期合格者からも必死にお願いされました。)
ただ、決済ヘルプには何かあった時の責任の所在が曖昧になる等の問題はあると思っています。(例えば、売主が成りすましの偽者だった事を見抜けなかった時に、受任した司法書士とヘルプの司法書士のどちらに責任があるのか、またその割合は、等)また、自分の事務所のキャパでは受けきれない量の仕事を受けて、それを他の司法書士に下請けに出すというやり方自体に問題はないのかという気もします。この辺りは司法書士会や連合会に筋の通ったルール作りを期待したい所です。何にせよ、現状は依頼があれば受けます。生活がありますし。
決済1本あたり報酬3~5万円が相場で、早ければ半日で終わることもありますし、私のように直接不動産屋と繋がりたくない人間(※)にとっては割の良い仕事です。
※『私の事務所の大方針』3-1.不動産屋イヤ 参照。
2.ちゃんと営業したのはこの半年だけ
平日の昼間から全くやることがないと、さすがのコミュ障も営業しなければという気になります。事務所案内のパンフレットを自作して配って回ったりしました。
近所の地域包括支援センターを回って、実際に1件後見申立の案件を紹介いただきました。また、商工会議所の異業種交流会に参加して名刺交換した保険会社の人から税理士さんを紹介してもらいました。
ですがうまくいった事ばかりではありません。(むしろうまくいなかなった事のほうが多いです。)別の地域包括支援センターでは「半官半民の立場なので特定の司法書士を紹介することはできない」と言われてしまいましたし、老人ホーム等の施設を回っても何の成果も得られませんでした。
異業種交流会で知り合った不動産屋さんと銀行員の方にも挨拶に行ったのですが、いずれもよい関係は築けませんでした。不動産屋さんは開業したばかりだったのですが、元大手仲介業者で支店長をやっていた方で、お話ししているうちに司法書士を仕事の出し先として下に見ていることが伝わってきたので、それっきりとさせていただきました。銀行の支店長は、挨拶に行った後に事務所にポスターを届けてくれたりしたのですが、運悪くその年で他の支店に異動になってしまいました。銀行員は定期的に異動があるので、せっかく繋がりを持てても担当者が変わって関係が切れてしまうおそれがあります。逆に、異動した先の支店でも引き続き仕事を依頼してくれることもあるのですが、そこが遠方だと時間効率が悪くなりますし、車が必要になることもあります。
3.色々試行錯誤したため広告費が高くなった
新聞の折込チラシ、郵便局の封筒広告、タウンニュース広告等、色々試したので広告宣伝費が高くなってしまいました。なお、いずれも高額な割に効果が得られなかったのでやめてしまいました。
また、開業前に買い忘れた文房具等の消耗品が意外と多かったり、支部長やリーガルサポートの地区長に挨拶に行った際のお土産代等も初年度ならではの経費です。
あと蛇足ですが、確定申告の際に固定資産(パソコン)を少額減価償却資産の特例により一括で当年度の経費にしてしまいました。赤字だったので普通に減価償却すべきだったと思います。幸いにして翌年度以降は黒字化したので損失繰越したのですが、この辺は税理士さんに依頼せず自分で経理処理を行うリスクと言えるかもしれません。
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