司法書士試験合格後、人生唯一の無職期間

受験生時代

1.新人研修が終わるまでは…

合格した年の11月末で退職し、翌年7月半ばに最初の司法書士事務所に就職するまで約8カ月半、無職でした。大学を卒業して入った会社に12年8カ月勤めたので、人生初の長期のお休みでした。

それなりに貯蓄があったので急いで再就職する必要もありませんでしたし、各種の新人研修を今年度のうちに全て履修しておきたいという気持ちもありました。

研修の修了認定が厳しくて、15分以上の遅刻が1回でもあると来年イチから受け直しだったと思います。理由は問わず、体調不良や悪天候でもダメです。その年、初めてインフルエンザの予防接種を受けました。

実際、特別研修の期間中に何十年かに一度の大雪の日があり、間に合わなかった人がいました。

これはさずがに仕方ないんじゃないかと署名を集めて日司連に訴えたけどダメだったみたいです。私も署名しましたが、これからお世話になる日司連という組織の頭の固さにガッカリしました

余談ですが署名を拒否した人もいて、その理由は「もっと遠くからでも間に合った人もいる」とか「近くのホテルに前泊した人もいる」とかだったと思いますが、個人的にその理屈は好きではなくて、それだと一番苦しんでいる人しか文句言っちゃいけないことにならない?という気がします。風邪で苦しくても世の中には癌で苦しんでいる人もいるのだから我慢しろ、みたいな。

ともあれ、私は無事に全ての新人研修を修了することができました。会社に勤めながらでは絶対に無理だったので計画的に退職して正解でした。

ですが、周りの同期合格者は新人研修期間中から司法書士事務所に就職している人も多くいました。研修優先の配慮をしてくれる事務所は多いみたいです

2.認定考査が終わるまでは…

3月上旬に特別研修が終わり、全ての新人研修を修了した後も就職せず、簡裁訴訟代理等能力認定考査までは無職のまま勉強に注力することにしました。

認定考査は司法書士試験に比べたらはるかに合格率が高く、専業で勉強する程ではないのですが、今まで仕事をがんばってきたのだからもう少しのんびりしてもバチはあたらないだろうと考えました。また、合格翌年に受かっておかないと仕事が忙しくなって勉強の時間が取れずなかなか受からないという話も聞いたので。(実際、同期合格者にも未だに認定を持っていない人がいます。)

最初のうちは平日の昼間に家にいると、何とも言えない罪悪感に苛まれました。天気のいい日は外をぶらぶらと散歩し、公園やカフェで認定考査の勉強をしました。

何せ時間が余りまくっているので過剰に勉強しました。「要件事実の考え方と実務」(通称:カトシン本)と「認定司法書士への道」(通称:ヒルマチ本 or みち)の両方を読み込みました(通常はどちらか1冊で十分合格可能です)し、模擬試験も受けました。模擬試験の採点では、特別研修でチューターもやっている辛口で有名な某先生に「抜群の実力が伺えます」とのコメントをいただきました笑。

それでも時間を持て余すので当時流行っていたニンテンドー3DSのモンハンを買ってやっていました。その頃にはだいぶ罪悪感も薄れていましたね。

3.ワールドカップが終わるまでは…

さすがに8カ月も休むともう十分で、将来の独立開業という目標もあるのでそれに向けて始動したくなってきました。

その年はサッカーのワールドカップがあったので、それが終わってから就職活動をすることにしました。

なお、この空白の8カ月を理由に書類選考を落とされた事務所が1つだけありました。長い人生のたった8カ月充電したくらいいいじゃねーかと思いましたが、まあ、どう思うかは採用する側の自由なので仕方ないですね。ともあれワールドカップ決勝の翌週には就職が決まり、翌々週から働き始めることになりました。
※『司法書士の就職事情~歳とっていても大丈夫?~』参照

会社員時代は毎日夜遅くまで残業し、休日出勤も多かったのですが、無職になると急速に体力が衰えるので、長引くと社会復帰が難しくなるかもしれません。1日8時間、週5日働くのはそれなりに体力がいるということを悟りました。最初に就職したのが残業の少ない事務所で助かりました。

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