1.独学は困難
私は試験勉強は独学が良いと思っていました。それまでに取得した資格もほぼ全て独学でした。決められたカリキュラムに沿って勉強するよりも、その時その時で自分の苦手な所、不足している所を勉強した方が効率が良いですし、何より自分には独学でも継続して努力を続けられる根気強さがあると思っていました。
なので司法書士も最初は市販のテキストを使って独学で勉強していたのですが、この試験は今まで経験したどの資格試験よりもボリュームも難度も桁違いで、さすがに無理だと思い知りました。そんな訳でLECの新15ヵ月合格コースに申し込みました。
2.カリキュラム消化に専念すべし
主な教材は以下の通りです。
- ブレークスルーテキスト(市販のものとは別物(若干内容が厚い?))
- 合格ゾーン(市販のものを各自購入)
- 書式ベーシック(記述用問題集)
- その他(講師が作成した補足ノート等)
講義は週に1度ですが、もちろんそれだけでは受かりません。毎週講師から宿題は出ます。合格ゾーンや書式ベーシックをここまで解け、といった具合です。別に提出したり答え合わせをしたりするわけではないのでやるかやらないかは自由ですが、本気で合格したいならやらない選択肢はありません。
インプット(講義)だけでなくアウトプット(演習)も必ず受けること。私の場合は毎週土曜日に講義を受けて日曜日に答練を受けるというルーティンでした。平日は講義・答練の復習や宿題をこなします。
休日出勤等で土曜日の講義が受けられない場合は、後で講義の録画をビデオで見ることができるので、日曜日に必ず観て遅れをとらないようにしました。
正直、このカリキュラムに食らいついていくのは相当大変です。自分だけでこれ以上の勉強ができるのであれば独学でもいいですが、ほとんどそんな人はいないだろうと思うくらい大変です。だからこそ、初年度は余計なことは考えず、ただスケジュール通りにカリキュラムを愚直にこなすことだけに専念すればよいと思います。
3.お試し受験
かなり詰め込んだ内容であるにも関わらず、それでも1年以上かかるスケジュールとなっています。なのでカリキュラムの途中で1回本試験日が訪れることとなります。
雰囲気とか手続きとかの確認のためにお試しで受験することを勧められますが、講師からは「絶対受からないから変な色気は出すな。すでに講義が終わっている民法だけ、どれだけできるか力試しをして来なさい。」と言われました。
とはいえ正直「マークシートだしワンチャンあるかも…」なんてこの頃は思っちゃったりしています。まだまだこの試験の恐ろしさを何も分かっていませんでしたね。
実際、午前だけでなく午後も最後まで受けてみました。そして抱いた感想は「こんな試験、あと1年勉強したくらいで受かるのか…?」でした。気を引き締めるためにも、お試し受験は良いと思います。
4.後半ほどキツくなる
カリキュラムが進むほど、復習のボリュームが多くなってきます。最初のほうにやった民法とか不動産登記法とかを忘れてくるのです。一度学習したけど忘れてしまった内容を反復して記憶に定着させる作業が、後半になればなるほどキツくなってきます。
加えて、どうしても初年度は記述対策が手薄になります。実際、私も記述の勉強が不足している実感があったので、本試験4~5ヵ月前は毎日朝4時半に起きて会社に行く前に記述問題を解いていました。
大袈裟ではなく寿命を削っている実感がありました。一発合格を本気で目指していて、今だけの辛抱だと思っていたからこそ出来た無茶です。
結果、それでも記述問題は足切りに引っ掛かってしまいました。今から思うと択一が中途半端になるくらいなら初年度は記述を捨てるのも手かもしれません。でも最初から諦めると無意識のうちに甘えが出てしまって勉強量が減るかもしれないので難しいところですね。
1年目に命を削って勉強したことが、3年という比較的短期での合格に繋がったとは思います。身の程知らずでこの試験の本当の恐ろしさも知らず、本気で一発合格を目指したのは却って良かったと思います。最初から2~3年の計画でいたらここまで努力できなかったでしょうから。
ですが命を削る努力は長続きしないので、勉強を習慣化してしまうことが大事だと思います。2年目以降は徹底的にスキマ時間を埋める勉強法にシフトしました。1年目のペースを2年目以降も続けていたらマジで死んでいたかもしれません…。
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