1.freeeを導入した理由
経理を税理士さんに丸投げするのも一つの手ですが、開業当初はなるべく経費を抑えたいですし、仕事も少なく経理の作業量も少ないでしょうから勉強のためにも自分でやってみることにしました。
会計ソフトを選ぶ際は、クラウド対応は必須と思っていました。デスクトップPCの他にモバイルPCでも作業をするので、インストールした端末でしか使えないというのでは不便です。
freeeはクラウド型で有名なソフトで、スマホにも対応しています。有名な弥生会計もクラウド対応版があるのでどちらにするか迷ったのですが、freeeはクラウド特化で新しい感じがして、画面の見た目もシンプルでスタイリッシュだったので好みで選びました。
銀行口座やクレジットカードと連動して自動で取引を取り込んでくれますし、領収書をスマホで撮影してアップロードしたりもできます。慣れると本当に簡単で、結局5年目を迎えた今も自分で経理をやっています。
また、開業時に税務署に提出する書類(開業届、青色申告承認申請書 etc.)や県税事務所に提出する「事業開始等申告書」も質問に答えていくだけで簡単に作成できます。
2.電子申告のメリット
freeeは当然ながら電子申告(e-Taxでの確定申告)に対応しています。紙で確定申告する場合と比べて、以下のメリットがあります。
2-1.青色申告特別控除が65万円になる
複式簿記で記帳している場合、55万円の所得控除(青色申告特別控除)を受けることができますが、電子申告の場合はこれが65万円になります。なお、freeeは取引を登録すると自動的に複式簿記の形式に変換・保存してくれます。
2-2.添付書類の省略が可能
社会保険料控除の証明書、生命保険料控除の証明書等を提出する必要がありません。別途税務署宛に郵送する必要がないということです。(5年間手元に保管する必要はあります。)
住宅借入金等特別控除の証明書等はPDFでデータ送付する必要がありますが、私は該当しないので今までの確定申告で添付書類を送付したことはありません。
なお、領収書はそもそも紙申告の場合であっても提出不要です。
2-3.自宅(事務所)に居ながら申告できる
確定申告の時期って税務署めっちゃ混みます。わざわざ行かなくていいのは何気にありがたいですね。
私が開業した時はマイナンバーカードとカードリーダーが必要でしたが、現在はカードリーダーがなくても申請ができるようになりました。
なお、マイナンバーカードがなくても申請する方法もありますが、あくまで暫定的な措置とのことです。市役所で簡単に手続きできるので、開業にあたってはマイナンバーカードを取得しておくことをおすすめします。
3.司法書士業務で注意すべき会計処理
freeeの使用方法は検索すると公式Webサイト等による説明がすぐに出てくるので、以下では司法書士業務に関して特に注意すべき点を挙げます。
3-1.登録免許税
登録免許税(に限りませんが)を立て替えた場合は「立替金」として登録します。
※逆に事前に預かった場合は「預り金」として登録します。
後日、お客さんから入金があって、売上だけでなく立替金(実費)も含まれている場合、「口座名・取引内容」の箇所をクリックします。
「行を追加」を押します。
勘定科目に「立替金」を選択し、金額を入力します。売上高の金額も修正し、右下の明細との差額が0になっていることを確認して「登録」ボタンを押します。
3-2.源泉所得税
お客様が法人の場合、所得税を源泉徴収された額で請求することになりますが、会計処理上は源泉徴収前の金額を売上金額とした上で、源泉所得税の額を「事業主貸」として処理します。
「控除・マイナス行を追加」を押します。
勘定科目に「事業主貸」を選択し、金額を入力します。 右下の明細との差額が0になっていることを確認し、「登録」ボタンを押します。
3-3.ポケットマネーから経費を支出した場合
小口の支払いのためにいちいち事業用口座から現金を引き出すのは面倒です。本屋で専門書を買ったり、100円ショップで文房具を買ったりする時に、とりあえずポケットマネーから払っておいて、後で経費にすることができます。
スマホ(freeeのアプリ)でレシートを撮影し、「1枚を登録」→「あとで登録」を押します(そのままスマホで取引登録することもできますが、私はとりあえずアップロードだけしておいて後でパソコンで操作しています。)。freee(パソコン)のメニューから「取引」→「ファイルボックス」を選択します。
スマホで撮影したレシートが「未登録」の状態でアップロードされているので、選択します。
取引日、勘定科目、金額等を入力し、口座は「プライベート資金」を選択し、「登録する」を押します。これで経費になります。
3-4.生活費、プライベートな消費
生活費を事業用口座から引き出した時やプライベートな支出をした時は「事業主貸」として処理します。私の場合、ネットショッピングをする時にたまにクレジットカードの選択をミスって事業用のカードでプライベートな買い物をしてしまうことがあるのですが、その際は事業主貸で処理します。
なお、iDeCo(個人型確定拠出年金)や小規模企業共済の掛金も「事業主貸」で処理します。都度経費とするのではなく、確定申告時にまとめて所得控除することになります。
逆にポケットマネーから事業用資金を追加(入金)した場合は「事業主借」で処理します。
コメント