私は司法書士試験よりも先に行政書士試験に合格しました。その当時も会社員としてフルタイムで働いていました。
私は法学部出身というわけでもなく、全くの法律初学者だったのですが、約1年の勉強で一発合格を果たすことができました。
勉強法は基本的に独学です。(後述しますが一部LECの講座を受けました。)テキスト、問題集はLECの市販のものを使用しました。
私が合格した年の合格率は約8%でした。一見すると尻込みしてしまうような数字ですが、法律系の中では入門的な資格なので受験者数が多く、中にはあまり勉強せずに受ける人や試験当日に欠席する人も結構います。(なお、司法書士試験の受験生にはこのような冷やかしがほとんどいないどころか、ほぼガチ勢でベテラン受験生も多数です。その中での合格率3%は鬼畜の難度です。)
行政書士試験の特徴は、6割以上得点すれば必ず合格する絶対評価であるという点です。(なお、司法書士は合格率が3%程度となるよう合格点が年によって変動する相対評価です。)6割以上取るだけでいいにも関わらず合格率が低いのは、難問・奇問が多く出題されるからです。
これらにとらわれず、普通の問題で確実に得点を稼ぐことが行政書士試験を攻略するコツです。過去問を解く時も難問・奇問は飛ばしましょう。以下で紹介しているウォーク問過去問題集は、問題ごとに重要度と正答率が記載されているので飛ばしていい問題を容易に判断できるようになっています。
もう1つの特徴は、法令だけでなく一般知識も問われるという点です。一般知識だけで足切り点が設定されているので軽視できません。政治・経済・社会の時事問題も出題されるので、過去問だけでは対策できない部分もあります。個人情報保護法関連は今の時代独立開業しても会社員をやっていても必須の知識なので、この機会にきちんと勉強できたのは良かったなと後々になって思います。
前述の通り不真面目な受験生も多いので、真剣な姿勢で市販のテキスト・問題集を1年間回し続ければ働きながらでも十分合格レベルに到達できると思います。ただし、短期間で効率よく勉強するならやはり講座を受講したほうがいいとは思います。
・教材
テキスト「出る順行政書士 合格基本書」
問題集 「出る順行政書士 ウォーク問過去問題集(法令編)」
「出る順行政書士 ウォーク問過去問題集(一般知識編)」
・講座
基本的には上記のテキストで初学者でもよく理解できたのですが、会社法だけはどうしてもピンと来なくて、LECの講座を受けてみることにしました。初学者向けの「パーフェクトコース」は科目別でも申し込むことができたので、「商法・会社法(3回)」だけ受講しました。
結果、やっぱりピンと来ませんでした。後に司法書士試験を勉強してみてよくわかったのですが、会社法はめちゃくちゃ難しいので、たった3回の講義では要点すら把握できるものではありません。
行政書士試験では会社法の出題数が少ない(商法と合わせて計5問、うち会社法は3~4問)ので、深入りせずに他の配点の高い科目の勉強に時間を割くようにと教わりました。結局、会社法はよくわからないまま合格してしまいました。
なお、憲法は司法書士試験と大差ないレベルだと思います。民法は司法書士試験の入門くらいにはなるかと…。
・模擬試験
直前期にLECの「全日本行政書士公開模試(2回)」と「ファイナル模試(1回)」を受けました。もう1つ何か受けて計4回だった気がしますが、うち3回が合格点でした。4回受けて3回受かるくらいの実力、というのは自分の実感とも一致していると思いました。
なお、本試験を受けた時に「模試と全く同じ感覚だ」と驚いたのを憶えています。模試の難易度が難しすぎず易しすぎずと絶妙だったからだと思います。さすが法律系のLECと言われるだけはあると感動したので、後に司法書士試験の講座を選ぶ時はLECしか考えませんでした。
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